日本は地震大国として知られており、私たちは常に地震のリスクと隣り合わせの生活を送っています。地震そのものによる被害だけでなく、地震に起因する二次災害、特に火災のリスクについても十分な注意が必要です。
それでは、地震後の火災はどのように対策すればよいのでしょうか?本記事では、地震時の火災リスクを効果的に軽減できる家電製品について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
地震時の火災リスクの軽減に役立つ家電とは?
家電製品の中には地震時の火災リスクを低減してくれるものがあります。ここで代表的な5つの製品について紹介します。
感震ブレーカ
感震ブレーカは、地震の揺れを感知すると自動的に電気の供給を遮断する装置です。地震発生時に電気が原因で起こる火災を防止します。
感震ブレーカは、分電盤の中に組み込まれているタイプや、コンセントに差し込むだけの簡易タイプなど様々な種類があります。家庭の状況や予算に応じて、最適な製品を選択しましょう。
地震時に自動で電気を遮断する仕組みとその効果
感震ブレーカには、地震の揺れを感知するセンサーが搭載されています。このセンサーが一定以上の揺れを感知すると、スイッチが作動して電気を遮断し、電気火災のリスクを大幅に軽減できます。
地震による火災では、電気火災がその多くを占めています。内閣府のワーキンググループでは、感震ブレーカなどの設置を進めることにより、火災による建物焼失などが約5割も減少すると予想されています。
ガス漏れ警報器・ガス自動遮断装置
ガス漏れ警報器は、危険なガス漏れを検知して知らせてくれる装置です。中にはガスメーターと連動し、緊急時に自動でガスを遮断してくれる製品もあります。
ガス漏れを感知して自動でガスを止める機能と導入のメリット
地震によりガス管やガス機器が破損すると、ガスが漏れだし大変危険です。そのため、できる限り速やかにガスを遮断する必要があります。
しかし、避難時に冷静にガスを停止させることは困難でしょう。そのため、自動でガスを止める機能があれば、ガス漏れや火災を防ぐ上で非常に効果的です。
多くのガス会社が、ガス漏れ警報器の設置を推奨しており、新築住宅では標準装備となっているケースも増えています。
ガス関係の保安機器は、契約しているガス会社がオプション契約で提供しているケースが多いため、一度確認してみるとよいでしょう。
IHヒーター
IHヒーター(IHクッキングヒーター)は電気の力で鍋やフライパンなどの調理器具を熱することができる調理器具です。火を使わないだけでなく、本体が直接熱を発しないためガスコンロに比べて火災のリスクが低いとされています。
火を使わないことで火災リスクを低減できる
IHヒーターは、電磁誘導によって鍋自体を発熱させるため、裸火を使用しません。鍋底のみを加熱するため、周囲への熱の影響が少なく、可燃物が近くにあっても比較的安全です。
なかには、一定以上の揺れを感知すると自動的に電源を切る機能を持つIHヒーターもあります。これらの製品であれば、地震が発生した時に自動で電源が切れるためより安全です。
ただし、IHヒーターの導入に際しては、専用の調理器具が必要になることや、電気工事が必要になる場合があることなどのデメリットも考慮する必要があります。
自動消火機能付きストーブ
地震の後に発生する火災では、ストーブが原因のものもあります。地震の揺れにより倒れた家具や飛散した可燃性の衣類、紙類などに引火し、燃え広がってしまうのです。
そのため、地震の時にはこれらの暖房器具を切って避難する必要があります。しかし、緊急の場合に冷静に対応できるとは限りません。そこで、自動消火機能付きのストーブを使用することで、ストーブによる火災を防止できます。
異常な振動や倒れた際に自動で火を消す技術
自動消火機能付きストーブは、地震時の火災リスクを大幅に軽減する優れた家電製品です。この種のストーブは、異常な振動を感知したり、転倒したりした場合に自動的に火を消す機能を備えています。
自動消火機能付きストーブには、大きく以下の2つのタイプがあります。
振動センサータイプ
振動センサーは地震などによる異常な揺れを検知するセンサーです。揺れが発生すると自動的に消火するため、地震の対策に有効と言えるでしょう。
転倒センサータイプ
ストーブが一定角度以上傾いたり、完全に転倒したりした場合に作動するセンサーです。しかし、地震の程度や設置状況によってはストーブ本体が転倒せず、自動消火機能が作動しない可能性があります。
これらのストーブは地震時だけでなく、日常的な使用においても安全性が高いというメリットがあります。例えば、子どもやペットが誤ってストーブに接触して倒してしまった場合でも、自動的に消火されるため、火災のリスクを大幅に軽減できます。
住宅用火災警報器
住宅用火災警報器は、火災が発生した時に、速やかに火災の発生を知らせるための装置です。2006年から段階的に設置が義務化されており、現在はすべての住宅で設置義務があります。
しかし、個人の住宅では、設置義務を知らない、知っていても「対応がめんどう」「費用がかかるから」と設置していないこともあるでしょう。未設置の場合は違法なので設置するようにしましょう。
地震後に起こりやすい火災を早期に知らせる重要性
住宅用火災警報器が設置されていると火災の初期段階で煙や熱を検知し、大きな音で警報を発します。地震後の混乱した状況下でも、火災の発生をいち早く知らせることができます。
警報により早期に火災に気づくことで安全に避難するための貴重な時間を確保できます。特に、就寝中や地震の揺れで動揺している際には、この早期警報が生死を分ける可能性があります。
また、火災の早期発見は、初期消火の可能性を高めます。これにより、火災の拡大を防ぎ、被害を最小限に抑えることができます。
住宅用火災警報器の設置は、設置場所や設置方法などに細かい規定があります。そのため、設置するときは販売店や工事業者に相談することがおすすめです。
火災リスク軽減!導入事例や口コミ
地震時の火災リスクを減らす家電を紹介してきました。ここで、実際の導入事例や口コミを紹介します。
感震ブレーカの導入事例や口コミ
地震後の火災で大きな原因を占めるのは電気火災です。しかし、緊急時に冷静にブレーカを切って避難することは簡単ではありません。
パナソニック社が実施した意識調査では、「あなたは被災した当時、地震が発生した際に、ブレーカを落とせましたか。」という設問に7割弱が「落とせなかった」と回答しています。
回答では「ブレーカを切るべきと聞いたことはあったが、動転して忘れていた。」「脚立やイスに上って作業しなければならず、地震直後の余震もある状況でそのような危険なことをする余裕がなかった。」といった声が寄せられていました。
新築時に感震ブレーカを標準装備する住宅メーカーや既存の分電盤に設置できる後付けタイプの感震ブレーカも登場し、少しずつですが普及が進んでいます。実際に新築時に感震ブレーカを設置した方の体験談を紹介しましょう。
「家族全員が寝静まっていました。実際に地震が起きたとき、ブレーカを切って逃げようと思いつく人は少ないし、その余裕もないものです。だから自動で遮断してくれる感震ブレーカは安心です。お知らせ機能で警報を発してくれたこともとてもよかったです。」
このように感震ブレーカが設置されていることで、ブレーカの操作などに時間を取られることなく安心して避難することができます。
・IHヒーターの導入事例や口コミ
IHヒーター(IHクッキングヒーター)は、裸火を使わないため火災のリスクが低いと考えられています。特に地震では周囲のものが崩れてきても引火する心配がありません。なかには地震の揺れを感知し、自動的に電源が切れる機能を持った製品あるためより安心です。
実際にIHヒーターを導入した方の口コミを見ると、「子供が居るので、目を離した隙に触ってしまっても出火する心配が無いので安心して使用できる。」「高火力で安全性が高いですね。高齢の母も安心して使えます。」と、普段から安全に使用できるという意見が多く見られました。
さらに、調理中に地震が発生した場合も安心して避難できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
・自動消火機能付きストーブの導入事例や口コミ
現在販売されている石油ストーブやガスストーブ、電気ストーブでは、大きな揺れを感知すると自動で消火する機能が付いていますが、古い機器ではこのような機能がなく危険です。
実際に地震にあった方の声では、「真夜中の地震で家具が倒れる中、ストーブが自動で消火されたのを確認できて本当に安心しました。停電で真っ暗な中でも、火事の心配をしなくて済んだのは大きかったです」など、自動消火機能がついていたことで安心して避難できたという声もありました。
現在自動消火機能が付いていないストーブを使っている方は、機器も古くなっている可能性が高いため、ぜひ買換えを検討しましょう。
・今すぐ地震時の火災対策を始めよう!
ここまで、地震時の火災リスクを軽減するための5つの家電製品について詳しく見てきました。これらの製品は、それぞれに特徴があり、導入することで大きな安心感を得ることができます。しかし、ただ製品を購入するだけでは十分ではありません。適切な選び方と、正しい使用方法を知ることが重要です。
家電の選び方と購入ガイド
地震時の火災リスクを軽減するための家電製品を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
1. 信頼できるメーカーの製品を選ぶ
安全性に関わる製品は実績のある信頼できるメーカーの製品がおすすめです。製品の品質はもちろん、販売実績のある製品であれば修理や交換もしやすく、長く使用することができます。
2. 性能と価格のバランス
長期的な安全性を考えると、ある程度の投資は必要かもしれません。しかし、予算オーバーにより導入できないよりも、安価でも基本的な機能を押さえた製品を選ぶのも一つの方法です。必要な機能が何なのか自分の環境ではオーバースペックではないかといったポイントから検討しましょう。
3. 設置の方法の確認
自分で設置できるか、専門業者による設置が必要かを事前に確認しましょう。電気工事が必要な製品であれば、自分で設置することはできません。工事不要の簡易的な製品であっても十分な効果を発揮するケースもあるため、必要な機能とのバランスを考えて検討しましょう。
4. アフターサービスの充実度
保証期間や修理対応など、アフターサービスの内容も重要な選択基準です。せっかく防災のために導入した製品が故障によって使えなくなっては意味がありません。故障した場合に修理にかかる期間なども確認しておくとよいでしょう。
5. 最新の技術や規格に対応しているか
安全に関する技術や規格は常に更新されています。せっかく導入した製品が古い規格だったらもったいないですね。特に感震ブレーカや住宅用火災警報器は、最新の安全基準に適合しているか確認しましょう。
購入先は、以下のような選択肢あります。簡単な特徴を紹介しますので目的に応じて選択しましょう。
●→ 家電量販店:実際に製品を見て、店員に相談しながら選ぶことができます。
●→ ホームセンター:比較的手頃な価格で、基本的な製品を購入できます。
●→ オンラインショップ:豊富な製品情報と口コミを参考に、じっくり比較検討できます。
しかし、防災に関する機能は日常的に使用するものではないため、個人ではどのような製品があるかわからないことが多いでしょう。また、工事が必要な製品や自宅の環境に合わせて選択しなければいけない製品では、家電量販店などで相談しても判断が難しいケースもあります。
その様な場合は、専門業者に相談し、必要に応じて現地調査や見積もりを依頼する方法も効果的です。
地震の火災リスク低減!専門家相談してみよう!
地震時の火災リスクを低減させたいななら、専門家のアドバイスを受けることは非常に有効です。専門業者の中には無料で相談を行ってくれるところもあります。
また、そのような地元の信頼できる専門業者で購入や設置を行うと、その後のアフターケアも依頼しやすく安心です。
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